【脳卒中版!退院後のリハビリの選び方(自費リハビリも含む)】脳卒中リハビリ | update: 2023.06.27
病院でのリハビリは入院と同時に始まるので、ご自身でリハビリを選ぶことはないと思います。
退院後は自分自身でリハビリを選んでいく必要があります。
しかし、「退院後のリハビリはどんなリハビリがあるんだろう?」、「自分に合ったリハビリはなんだろう?」と疑問に思われれることはないでしょうか。
本記事では、退院後のリハビリのそれぞれの特徴や期限・利用限度、お勧めする方を説明し、選ぶ際の参考となる内容になっております。
あなたに合った退院後のリハビリを選ぶ際にお役立てください。
情報の信頼性について
・本記事は株式会社紡(つむぐ)/理学療法士の中野が執筆しております(執筆者情報は記事最下部)。
・本記事の情報は、基本的に厚生労働省の資料から引用しています。また、理学療法士としての経験に基づいた意見も含まれています。
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退院後のリハビリの選択肢は6つ!
医療保険で受けられるリハビリ
その名の通り、医療保険を使って受けることができるリハビリです。外来リハビリや訪問リハビリがあります。
外来リハビリ
外来リハビリの特徴
医師の指示のもと疾患別リハビリテーションを行い、可能な限り「疾患により低下した機能の改善」を目指します。
疾患別リハビリテーションとは(厚生労働省資料)
・脳血管疾患(脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)を始め、脳にご病気を持たれた方)
に対して機能改善や社会復帰などを目的に行うリハビリです。
外来リハビリでは主に「足が動かしにくい」や「手が動かしにくい」、「歩きにくい」などの「機能改善」に焦点を当てて行うことが多いのが特徴です。
※社会復帰とは、仕事に復帰することや友達と食事に行くなど「あなたらしさ」を取り戻して行くことです。
外来リハビリの期限
医療保険で行うリハビリには期限があります。期限はそれぞれの疾患によって異なります。
基本的には上記の期間以降は医療保険でリハビリを受けることはできませんが、それが除外される場合がございます。(厚生労働省資料)
以下のうち、治療継続により状態の改善が期待できると医学的に判断された場合
・失語症、失認及び失行症
・高次脳機能障害
・回復期リハビリテーション病院を退院した日から3ヶ月以内の患者
・その他、疾患別リハビリテーションの対象患者であって、リハビリの継続が必要と医学的に認められるもの
・治療上有効であると医学的に判断される場合
医療保険でのリハビリ期限を過ぎた後もリハビリの継続を希望される場合は上記の場合を除いては介護保険や保険外でのリハビリを継続することになります。
外来リハビリをお勧めする方
退院した後のリハビリの選択肢としてはまず医療保険で受けられる外来リハビリが第一候補になります(期限が残っている、もしくは外来リハビリを行っている病院やクリニックへご自身で通える方やご家族の送迎が見込める場合に限ります)。その理由としては医療保険で受けられる外来リハビリは基本的に誰でも受けられるからです。退院したけどまだ「生活が不安だな」や「手足が動かしにくいな」、「歩きにくいな」などの悩みを抱える場合は一度外来リハビリを行なっている病院やクリニックをお尋ねしてみてはいかがでしょうか。
全て当てはまったら外来リハビリ推奨
✔︎疾患別リハビリの期限が残っている(外来リハビリの期限参照)
✔︎自分自身やご家族の支援のもとクリニックや病院に通うことができる
✔︎退院したけど、身体や生活のことでまだ悩み事がある
訪問リハビリ(医療保険)
訪問リハビリは医療保険と介護保険どちらでも受けることができます。ただし、医療保険の訪問リハビリは介護保険の介護認定を受けていない方に限ります。
訪問リハビリの特徴(厚生労働省資料)
訪問リハビリは病院やクリニック、施設から理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自宅へ訪問し、機能維改善や日常生活の自立を支援するために行うリハビリです。また、ご家族へのアドバイスや相談も行います。実際の生活場面での困りごとをお聞きしてその場でリハビリできるのが特徴です。
訪問リハビリの利用限度(厚生労働省資料)
訪問リハビリは1週間で120分以内という決まりがあります。
訪問リハビリをお勧めする方
訪問リハビリと外来リハビリの違いは、通院が難しくても個別リハビリを受けることができるということです。また、退院直後はリハビリ頻度を増やすこともできます。自宅内での日常生活の自立や自宅環境のアドバイスが必要な場合は訪問リハビリはお勧めです。
上3つが当てはまったら訪問リハビリ(医療保険)推奨
✔︎通院が難しいけど、個別リハビリを受けたい
✔︎介護保険の介護認定を受けていない
✔︎退院直後でリハビリの頻度を上げたい
✔︎自宅内日常生活の自立や自宅環境のアドバイスが欲しい
介護保険で受けられるリハビリ
医療保険での外来リハビリや訪問リハビリが終了した後は、介護保険で要介護認定を受けている方に限りデイ・サービス、通所リハビリ、訪問リハビリを受けることが可能です(厚生労働省資料)。
デイ・サービス(通所介護)
デイ・サービスの特徴
施設へ送迎を利用して通うことができます。主には入浴や排泄、食事の介護を行い、そこで1日、もしくは半日の生活をします。また、他者との交流を図るために書道や陶芸、生け花などのレクリエーションも特徴にしている施設もあり、閉じこもりや孤立を防ぐ役割もあります。ご家族にとっては介護から手を離せるので、ご自分の時間を作ることができます。リハビリは外来リハビリで行っていたような個別でのリハビリはほとんどなく、集団での体操や機械を使った運動がほとんどになります。
デイ・サービスをお勧めする方
主には生活での介護が必要な方が通う場となります。集団生活となるので、レクリエーションを行ったり、集団で体操を楽しく行いたい方にはお勧めです。また、ご家族の介護量の軽減も見込めるので介護される方だけでなく、介護する側にもメリットがあるかと思います。
上3つが当てはまったらデイ・サービス推奨
✔︎介護保険の要介護認定を受けている
✔︎リハビリというよりも生活の支援(入浴や排泄、食事など)をして欲しい
✔︎リハビリというよりもレクリエーションを楽しみたい
✔︎家に閉じこもらずに外に出たい
✔︎家族の負担を減らしたい
✔︎個別リハビリよりも集団で体操を楽しみたい
通所リハビリ
通所リハビリの特徴(厚生労働省資料)
通所リハビリは病院やクリニックなどに併設されている施設へ送迎を利用してリハビリを受けることができます。主治医の指示のもとリハビリが行われます。デイ・サービスとは違い生活をする場所というよりも心身の機能の維持・回復を図り、日常生活の自立を助けるために外来リハビリのような個別リハビリや集団リハビリを受けることができます。ただし、個別リハビリの時間は外来リハビリと比べると少なくなると同時に集団リハビリの時間が多くなることがほとんどです。
デイ・サービスと通所リハビリの利用限度
デイ・サービスや通所リハビリなどの介護保険サービスは要介護度や他の利用サービスの状況によって利用限度に変動があります。ですので、詳しい利用限度は担当の介護支援専門員(ケアマネージャー)にお聞きください。
通所リハビリをお勧めする方
通所リハビリはデイ・サービスとは違ってリハビリがメインとなる場所です。集団で運動することが好きな方やレクリエーションよりもリハビリがしたい方、運動習慣を作りたい方、専門的なスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)にアドバイスをもらいながら運動をしたい方にお勧めです。
上3つが当てはまったら通所リハビリ推奨
✔︎介護保険の要介護認定を受けている
✔︎個別リハビリよりも集団でリハビリを楽しみたい
✔︎レクリエーションよりもリハビリがしたい
✔︎一人では続かないから集団で運動できるところに行きたい
✔︎専門的なスタッフの指導のもとで運動を継続したい
訪問リハビリ(介護保険)(厚生労働省資料)
介護保険の訪問リハビリは介護保険の介護認定を受けている方に限ります。
訪問リハビリの特徴
訪問リハビリは病院やクリニック、施設から理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自宅へ訪問し、機能改善や日常生活の自立を支援するために行うリハビリです。また、ご家族へのアドバイスや相談も行います。実際の生活場面での困りごとをお聞きしてその場でリハビリできるのが特徴です。ただし、基本的には「通院が困難な者」が対象になります。しかしながら、自宅内における日常生活動作の自立が困難である場合の自宅環境の確認を含めたリハビリが必要であると判断された場合はこの限りではありません。
訪問リハビリの利用限度
介護保険での訪問リハビリは1週間で120分以内という決まりがあります。また、こちらも他の利用サービス状況との時間調整がありますので、詳しい利用限度は担当の介護支援専門員(ケアマネージャー)にお聞きください。
訪問リハビリをお勧めする方
訪問リハビリは他の介護保険リハビリであるデイ・サービスや通所リハビリとは違い、完全にマンツーマンで時間をとってリハビリを行うことができます。
「通院が困難」な程、重度である方や自宅内での日常生活の自立や自宅環境のアドバイスが必要な方が多いと思います。是非ご近所の訪問リハビリを行っているところをお探しください。
上3つが当てはまったら訪問リハビリ(介護保険)推奨
✔︎通院が難しい
✔︎介護保険の介護認定を受けている
✔︎介護保険を使ってマンツーマンでリハビリを受けたい
✔︎自宅での日常生活の自立や自宅環境のアドバイスが必要
保険外で受けられるリハビリ
退院後、医療保険でのリハビリは脳血管疾患であれば180日以内、また介護保険でリハビリを受けるにも介護保険で介護認定される必要があります。介護保険で介護認定されていない場合は、保険外で受けられるリハビリの選択肢が残っています。さらに、介護保険でのリハビリは個別リハビリの割合が少なく、集団リハビリの割合が多いので個人の目標に沿ったリハビリを提供することが難しいことも現状です。そこで、新しい選択肢として自費リハビリが注目を集めています。
自費リハビリ
自費リハビリの特徴
自費リハビリは運営元が株式会社や個人事業主など様々な業態があります。コンセプトも様々です。
①「機能障害」に焦点を当て、技術に力を入れている施設
②Evidence based practiceの名の下に「効果の証拠があるリハビリ」を提供している施設
③「機能改善」だけでなく、「なりたい自分」に焦点を当てたリハビリを提供している施設
など存在します。
どれが良い悪いではなく、自分にはどのコンセプトでリハビリを進めて欲しいかという部分が大事です。
自費リハビリの利用限度
医療保険や介護保険のような利用限度はありません。
自分自身が納得するまでリハビリを進めることができます。
自費リハビリをお勧めする方
医療保険でのリハビリが終了した後、介護保険でのリハビリを受けられない、もしくは医療保険・介護保険のリハビリだけでは頻度が足りない場合は保険外での自費リハビリをご利用されることをお勧めします。
医療保険では「治療継続により状態の改善が期待できないと医学的に判断された場合」はリハビリの継続ができず、介護保険でのリハビリは「維持」していくことになるので、「改善」を目指すことが難しいことが多いです。一方で自費リハビリは医療保険や介護保険でのリハビリと違って時間的な制約がないので、ご自身が納得するまで「改善」を目指して退院後もリハビリを継続することができます。
色んな施設があるので、自身の価値観に合ったコンセプトで自費リハビリを展開している施設のホームページに足を運んだ上で気になった施設の体験を受けることをお勧めします。ほとんどの施設が「体験」を設けているので複数の施設の体験を受けて最終的なご利用を検討してみてはいかがでしょうか。まずは住んでいる都道府県や地域の自費リハビリ施設を検索してみましょう(例:芦屋市 自費リハビリ 脳卒中)。
上3つが当てはまったら自費リハビリ推奨
✔︎医療保険リハビリの期限が終了したけど、リハビリを継続したい
✔︎納得するまでリハビリを続けたい
✔︎「改善」を目指したリハビリを受けたい
✔︎介護保険の介護認定を受けていない
✔︎医療保険・介護保険で受けられるリハビリをしているけど、頻度を増やしたい
まとめ
退院後のリハビリの選び方を推奨内容と分野別実施イメージを下記にまとめています。
リハビリを選ぶ際の参考にしてください。
退院後のリハビリの選び方(推奨内容)
リハビリ分野別実施イメージ
紡リハビリでは脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)専門の自費リハビリをご自宅へ訪問して提供しています。
訪問地域は大阪府(大阪市、豊中市、吹田市、寝屋川市、守口市、箕面市、茨木市、高槻市、枚方市、大東市、東大阪市)、兵庫県(神戸市、芦屋市、宝塚市、伊丹市、尼崎市、西宮市、加古川市、姫路市、明石市)です。
自費リハビリをご検討の方は、ぜひ紡リハビリのホームページにお越しください。
ご不明点などのご連絡はいつでもお待ちしております。
執筆者
株式会社紡(つむぐ) COO最高執行責任者 理学療法士 両立支援コーディネーター
学会発表経験あり
◾️経歴
2015年理学療法士免許取得
2015年医療法人マックシール巽病院、巽今宮病院 急性期・回復期・生活期(外来・訪問・通所リハビリ、デイ・サービス)を担当
2019年株式会社ワイズ 脳梗塞リハビリセンター神戸 オープニングスタッフ
2021年川口脳神経外科クリニック 外来リハビリ、デイ・サービス、介護予防事業、メディカルフィットネス担当
2023年株式会社紡(つむぐ)
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